アウトドアライフの質を高めるために、ハイエースをベースにしたキャンピングカーを購入を検討している方は多いでしょう。
しかし、多くの利点がある一方で、後悔してしまうケースも少なくありません。そこで、本記事では購入前に押さえておくべきポイントを徹底解説します。
ハイエースベースのキャンピングカーは、そのコンパクトさやカスタマイズの自由度で人気を博していますが、使い勝手やコスト面での落とし穴には十分注意が必要です。
これらのポイントを理解し、後悔のない選択をするためのコツを学びましょう。
- ハイエース キャンピングカーの室内高が低いことによる不便さ
- ベッドスペースのサイズと展開に関する問題点
- エアコンやトイレなどのオプション装備に関するコストと快適性のバランス
- キャンピングカーの価格とカスタマイズにおけるコストパフォーマンスの考慮
ハイエースのキャンピングカーで後悔？：購入前に知るべきポイント
ハイエースをベースにしたキャンピングカーは、そのコンパクトさや機能性で人気を集めていますが、購入後に後悔するケースも少なくありません。
そこで、購入を検討している方が事前に知っておくべきポイントを詳しく解説します。
ハイエースベースのキャンピングカーの特徴とは
ハイエースベースのキャンピングカーは、多機能性と柔軟性の高さで注目されています。
特に、全長4.69m、全幅1.69m、全高1.98mの標準ボディのモデルは市街地での運転や駐車において優れた扱いやすさを提供します。
車内は、広さを最大限に活用した設計で、例えば標準的なモデルでは、2名〜4名が快適に過ごせる広さがあります。
また、カスタマイズの自由度が高く、ユーザーのニーズに合わせた多様な内装変更が可能です。
例として、キッチン設備や収納スペースの拡張、さらにはソーラーパネルの設置など、さまざまなアップグレードが実現できます。
このようにハイエースベースのキャンピングカーは、アウトドアライフを豊かにするだけでなく、日常の移動手段としても活躍する万能車と言えるでしょう。
６つの後悔ポイント
室内高が低い：具体的な不便さ
ハイエースのキャンピングカーでは、ハイルーフモデルでも室内高が約160cm程度に留まります。
この高さは、成人男性が立って移動するには不十分で、多くの場合中腰の姿勢を余儀なくされます。
具体的には、日本人男性の平均身長が約171cmであることを考えると、ほとんどの成人男性が室内での立ち姿勢に苦労することになります。
さらに、リア部分のソファ展開やダイネットテーブルの設置・撤去は力仕事であり、これらの作業が日常的に必要になると、体への負担も無視できません。
また、レイアウト変更の自由度と引き換えに、頻繁な組み替え作業が必要となり、使い勝手の悪さを感じるユーザーも少なくありません。
ベッドが小さいと感じる理由
ハイエースベースのキャンピングカーにおけるベッドスペースは、一般的には横向き配置時で180cmの長さが標準です。
これは平均的な大人の身長を考慮すると、足を伸ばして快適に眠るにはやや狭いと感じられることがあります。
実際、日本人男性の平均身長が171cmであることを考えれば、余裕を持って休息を取ることは難しいでしょう。
また、ベッドを縦向きに配置してスペースを広げようとすると、反対にダイニングスペースが犠牲になるため、居住スペースの使い勝手に影響が出ます。
このように、限られたスペース内での設計上の妥協が、実際の使用時に不満となるケースが見られます。
ベッドの展開にかかる時間と労力
キャンピングカーにおけるベッドの展開は、理論上はスペース効率が良いとされていますが、実際の使用シーンを考えると、その手間は意外に大きいものです。
たとえば、運転後の疲労感の中でのベッド展開は、思っている以上に体力を要します。
特に、一日の運転やアクティビティで疲れている時に、ベッドへのマットレスやシーツの設置など、ベッドの準備には相応の労力が必要となります。
このような状況は、特に長距離の移動や連続した車中泊を行う場合にはストレスとなり得るため、ユーザーによっては大きな後悔の原因となる可能性があります。
エアコンの問題：コストと快適性のジレンマ
ハイエース キャンピングカーのエアコン装備は、多くがオプション扱いであり、必要となるインバーターの追加により、総コストは数十万円規模に上る場合があります。
例えば、エアコン本体に20万円、インバーターに5万円が必要になるケースも珍しくありません。
この投資は、長期間や高温地域での利用を考えると必要ですが、予算に制限がある場合、扇風機やマックスファンでの代替を検討する方も多いです。
しかし、猛暑時のRVパークでの車中泊では、これらの代替策では不十分と感じることがあり、後に「エアコンを付けておけばよかった」と後悔するユーザーが後を絶ちません。
トイレの問題：キャンピングカーの快適性の要
バンコン型キャンピングカーのトイレ設備は、通常、オプション扱いで、ポータブルトイレが主流です。
ポータブルトイレの設置には約3万円から5万円程度のコストがかかりますが、これは長距離移動や夜間の使用を考慮した場合、非常に重要な投資です。
長いドライブ中や不意の渋滞、また夜間に外に出ることが困難な場合、車内トイレの存在は大きな安心材料となります。
しかし、初期費用やスペースの制約から設置を見送るユーザーも多く、特に女性や子どもを同伴する旅行では「設置しておけば良かった」という声が多いのが現実です。
値段が高い：コストパフォーマンスの見極め
ハイエースベースのキャンピングカーは、基本価格に加えて必要な装備を追加すると、容易に価格が1000万円を超えることも珍しくありません。
例えば、基本モデルが600万円であっても、カスタムや追加装備で数百万円の追加費用が発生することも。
この価格上昇は、カスタマイズの自由度や車内の快適性向上に直結しますが、実際の使用頻度と照らし合わせると、投資額に見合うかどうかは個々の使用状況によります。
例えば、年に数回の利用のみでは、高額なカスタムモデルのコストパフォーマンスは低いと判断されることも。
逆に頻繁に長期の旅行を行うユーザーにとっては、快適性や機能性の向上は重要なポイントとなり得ます。
ギリギリ普段使いができるかの検証
ハイエースベースのキャンピングカーは、都市部の生活においても実用的ですが、その一方で注意すべき点があります。
例えば、平均的な車庫サイズは、幅2.5m、長さ5.0m、高さ2.1mとされていますが、ハイエースの一部モデルはこれに収まりきらない場合があります。
特に、ハイルーフモデルや改造を施した車両は、高さが2.1mを超えることがあり、屋内駐車場への入庫が困難になることがあります。
また、住宅街の狭い道路やコインパーキングでは、そのサイズが障害となり、利用に制限が生じることがあります。
これらの点を考慮すると、ハイエースベースのキャンピングカーを普段使いとして考える場合、駐車スペースや日常の移動ルートの見直しが必要になる場合があります。
しかし、そのサイズにも関わらず、市街地の移動や週末のアウトドアに便利であることは、多くのユーザーにとって大きなメリットです。
ハイエースのキャンピングカーで後悔？：改善策と代替案
購入後の後悔を避けるためには、問題点の改善策や代替案を検討することが効果的です。
ここでは、そうした選択肢を幾つか紹介します。
キャブコンへの乗り換えを検討する理由
ハイエースベースのキャンピングカーからキャブコンへの乗り換えは、多くのユーザーにとって最適な解決策となり得ます。
キャブコンは、その広々とした室内空間により、バンコンに比べて快適な睡眠環境が手に入ります。
一部のキャブコンモデルでは、ベッドスペースが200cm x 160cmにもなることがあり、寝返りを打っても余裕のある広さを実現しています。
バンコンに比べてキャブコンは、バンクベッドなど迅速に利用可能なベッドが特徴で、夜間のセットアップにかかる手間を大幅に削減します。
また、キャブコンの多くは全長が約6メートル前後と、予想外にコンパクトであり、日本の一般的な駐車スペースにも対応しやすい設計となっています。
ただし、キャブコンの運転には、一般の乗用車とは異なる感覚が求められることがあります。
輸入キャンピングカーへの乗り換えのメリット
輸入キャンピングカー、特にフィアットのデュカトをベースとしたモデルは、ヨーロッパのキャンピングカーマーケットで約70%のシェアを占めるなど、その人気は世界的です。
デュカトベースのキャンピングカーは、540型（全長約5.4メートル）と600型（全長約6メートル）が特に人気で、これらは都市部の運転や狭い道路での取り回しに優れたサイズ感を持っています。
輸入キャンピングカーの大きな魅力は、洗練された外観デザインと高い実用性のバランスにあります。
国内での輸入キャンピングカー需要の増加に応える形で、2022年には5つの国内ビルダーがフィアットとの正規契約を締結し、日本国内でも安心のアフターサポートが提供されるようになりました。
こうした背景から、ハイエースから輸入キャンピングカーへの乗り換えを検討するユーザーが増加しています。
輸入キャンピングカーは、国産モデルにはない独特の魅力を持ち、長期の旅行や快適な車中泊を求めるユーザーにとって、新たな選択肢となっているのです。
キャンピングカー利用の実用性再考
キャンピングカーの購入を検討する際、最も重要なのは、利用目的に合った車両を選択することです。
理想的なキャンピングカーライフを送るためには、以下の点を慎重に考慮する必要があります。
利用目的の明確化
まず、キャンピングカーをどのように使用するかを考えます。
例えば、週末のみの短期旅行、長期の全国旅行、または特定の趣味やアクティビティのための使用など、利用目的によって求められる車両のスペックは大きく異なります
「走り」と「居住性」のバランス
キャンピングカーに求めるのは快適な走行性か、それとも広々とした居住空間か。例えば、山道や狭い道を頻繁に走る場合は、小型で運転しやすい車両が適しています。
一方で、長期間の滞在や快適な生活空間を重視する場合は、居住性を優先した車両選びが必要です。
室内での過ごし方
キャンピングカーの室内で何をするかも、選択肢を絞る上で重要なポイントです。
料理を頻繁にするなら広いキッチンスペースが必要ですし、仕事や趣味のためにテーブルスペースを重視する方もいます。
また、就寝スペースの広さや快適さも、長期間の旅行では特に重要になります。
予算内での最適なキャンピングカー選び
キャンピングカーの購入において最も重要なのが予算の設定です。
新車の価格はモデルによって大きく異なり、小型の軽キャンピングカーでは約300万円から、より広い居住空間を提供するミドルクラスのモデルでは500万円から1000万円以上となるケースが多く見られます。
一方、中古市場では新車価格の約半額から購入可能なケースもあり、初心者や予算を抑えたい方には特に適しています。
実際に、日本のキャンピングカー市場における中古車の平均価格は約400万円とされており、新車に比べて手頃な価格で高品質な車両を手に入れることが可能です。
予算に見合った最適なモデルを選ぶためには、実際に車両を見て触れる機会を持ち、さまざまなオプションやカスタマイズについても検討することが大切です。
まとめ：ハイエース キャンピングカーの後悔
記事のポイントをまとめます。
- ハイエースベースのキャンピングカーは多機能性と柔軟性に優れる
- 標準ボディのモデルは市街地での運転や駐車に適している
- 車内は2名〜4名が快適に過ごせる広さが確保されている
- キャンピングカーのカスタマイズ自由度が高い
- 室内高が約160cm程度で、成人男性が立つには不十分
- ベッドスペースは横向きで180cmが標準で、大人が足を伸ばして寝るには狭い
- ベッドの展開には手間と時間がかかり、特に疲れている時には負担
- エアコンは多くがオプションで、設置には追加費用が必要
- トイレ設備は通常オプションで、ポータブルトイレが主流
- キャンピングカーの価格はカスタムや追加装備で大幅に上昇することがある
- ギリギリ普段使いが可能だが、駐車スペースや移動ルートの見直しが必要
- キャブコンや輸入キャンピングカーへの乗り換えが改善策となることもある
