四輪駆動のSUVとしての地位を確立してきたトヨタのプラドは、その耐久性とオフロード性能で知られ、新旧モデルを問わず、熱狂的な支持を受け続けています。
しかし、自動車市場は常に変動し、新しいモデルの登場は既存車種の価値に影響を与えることがあります。そんな中、注目を集めるのが、プラドのリセールバリューと新型ランドクルーザー250の関係です。
新型ランドクルーザー250の市場導入は、プラドの将来価値にとって重要な転換点となる可能性があります。プラドの後継モデルとしての役割を担うことが期待される250は、プラドの新旧モデルの価値に直接的な影響を与えるでしょう。
このような市場の変動を見極めつつ、プラドのリセールバリューを維持するための戦略を考えることは、オーナーにとっても、将来の購入者にとっても重要なテーマです。
本記事では、プラドのリセールバリューがどのように形成され、新型ランドクルーザー250の登場がそれにどう影響するのかを探ります。
- プラドの価値はデザインと耐久性で維持される
- 納期遅れが中古市場価格に影響を与える
- ランクル250の影響は新型車の受注状況に依存
- 走行距離とオプションがリセールバリューを決定する事も
プラドのリセールバリューとランクル250の存在
ランクル プラドってどんな車?
ランクルプラドは、トヨタ自動車が市場に投入しているSUVの中でも特に堅実な作りと機能性を誇るモデルです。
プラドは、その頑丈なボディフレームとフルタイム4WDシステムにより、どんなに厳しいオフロード条件下でも優れた走行性能を発揮します。
また、KDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム)やマルチテレインセレクトなどの先進技術を搭載し、運転の安全性と快適性を高めています。
市場での新車価格はグレードにもよりますが、一般的には360万円から550万円の範囲で設定されており、特定の市場や条件下では、購入後数年経過してもその価格帯を維持することが報告されています。
たとえば、2019年モデルのプラドは、3年後の2022年にも新車購入価格の約80%で取引されることが多く、これは他の競合するSUVと比較しても非常に高いリセールバリューです。
プラドの現在の相場
ランクルプラドの相場は、そのモデル、年式、走行距離、そして装備の有無によって大きく変動します。
2023年の市場データによると、2018年式のプラドは、平均的な走行距離である50,000kmを超えると、新車価格の約70%〜75%で取引されることが多いです。
一方、より新しい2020年式のプラドであれば、同じ走行距離でも新車価格の約85%を保持しています。これは、プラドが持つブランドイメージと実用性の高さに起因します。
また、特定の色やオプションを備えたプラドは、市場での需要が高く、例えば「ホワイトパールクリスタルシャイン」のボディカラーや「ブラックレザー」の内装オプションを持つ車両は、標準モデルよりも10%〜15%高い価格で売買される傾向にあります。
さらに、プラドの中古車市場における価格は、国内のみならず海外市場の需要にも左右され、特に中東やロシア、南米市場での需要が高いため、国際的な貿易状況や為替レートの変動も相場に影響を与える要素となっています。
プラドが値崩れするかもしれない要因
ランクル250の登場
ランクル250の市場導入は、プラドの価値にとって重要な転換点となる可能性があります。
2023年8月に初公開されたランクル250は、プラドの後継モデルとしての役割を担うことが期待されています。新型ランクル250の発売により、プラドは先代モデルの位置づけに変わり、これが中古車市場におけるプラドの価格に直接的な影響を与えるでしょう。
プラドの新車価格が367万6000円から始まる現状に対し、ランクル250は420万円前後の価格設定が予想されており、その存在感と新鮮さにより、プラドの中古価格に下降圧力を与える可能性があります。
さらに、プラドからランクル250への乗り換えに伴い、市場に流通するプラドの台数が増加することで、供給過多となり価格が下落するという効果も見込まれます。
ただし、ランクル250の納期が延長される場合、プラドの中古価格は一時的に高値を維持するかもしれません。
デザインの大幅変更
ランドクルーザーシリーズのデザイン変更は、ブランドの忠実なファン層に大きな影響を与える可能性があります。
プラドはその長い歴史を通じて、大幅なデザイン変更を避けてきましたが、新しいデザインへのシフトは、伝統を重んじる消費者層の離反を招くリスクを持ちます。
これは、プラドのリセールバリューにとってマイナスの要因となり得ます。
海外のEVシフトの流れと排ガス規制
世界的な電動車(EV)へのシフトと厳格化する排ガス規制は、プラドの将来価値にとって重要なリスク要因です。
特に、排ガス規制が厳しい市場においては、プラドのようなガソリン車の需要が減少する可能性があります。
プラドは海外市場においても高い残価率を誇っており、特にパキスタン、マレーシア、ロシアなどの国々での需要が高いことが知られています。
ガソリン車であるプラドは、環境規制の進展により、特に排ガス規制が厳しい市場での需要減少に直面する可能性があります。
これは、プラドの販売戦略と市場価値に再考を迫る要因となります。また、プラドの輸出が主要な市場であるパキスタンなどでの規制により、輸出台数が減少し、それが中古車価格の低下につながる可能性も指摘されています。
ランクル250の影響とプラドのリセールバリューの未来
ランクル250の登場によってプラドは値崩れする?
ランドクルーザー250の導入がプラドの中古市場に与える影響は、複数の要因によって異なる結果を生む可能性があります。
新型ランドクルーザー250の発売が、プラドの中古車価格に及ぼす直接的な影響は、新型車の受注状況や納期の長さに依存する可能性が高いです。
2023年8月の時点で、ランドクルーザー250の正式な発売日は未定であり、日本での受注開始は2024年以降と予想されています。この不確実性は、プラドの中古価格に一定の安定性をもたらす要因となり得ます。
プラドは、新型ランドクルーザー300に比べてボディサイズが小さく、ホイールベースが短いことから、特定の市場ニーズに適合しています。
新型250が300とほぼ同等のサイズであることを考慮すると、プラドの独自の市場ポジションが価格維持に寄与する可能性があります。
また、プラドの中古車価格は、新型車の納期が遅れると、先代モデルの価格が高騰する傾向にあることが観察されています。
これは、新型車に対する高い需要が中古市場に波及する現象です。
総じて、ランドクルーザー250の登場は、プラドの中古車価格に一定の影響を与える可能性がありますが、その影響は市場の動向、新型車の受注状況、およびプラド自体の独自性と人気によって異なる結果を生むことが予想されます。
プラドの価格が維持されるか、あるいは下降するかは、これらの要因の相互作用によって決定されるでしょう。
プラドのリセールバリューに強い理由
プラドのデザインが大きく変わらない事
トヨタのプラドは、そのデザインの時代に左右されない堅牢さとクラシックな魅力で知られています。
プラドのデザイン哲学は、流行に流されることなく、一貫して機能性と耐久性を重視してきました。これは、プラドが新車市場で360万円から550万円という価格帯で取引され、3年から5年使用してもほぼ同等の価格で売却できる理由の一つです。
特に、TXまたはTXLパッケージのモデルは、リセール市場での価値が20万円から30万円高くなる傾向にあります。
これは、装備や色の選択がリセール価値に大きく影響を与えるためで、ホワイトパールやベージュのボディカラーは、オークション市場での平均価格が442万円と他の色に比べて高くなっています。
新車の納期遅れ
新車の納期遅れは、プラドのリセールバリューに大きな影響を及ぼす要因です。
ランドクルーザー300の例を見ると、新型車の納期が4年以上に延びる事態が発生しており、これが中古市場における先代モデルの価格高騰を引き起こしています。
プラドにおいても、新車の納期遅れが発生すれば、中古市場での価格が上昇する可能性があります。
特に、新型ランクル250の受注開始が2024年に予定されている中、その受注状況や納期の不確実性は、プラドの中古車価格にとって重要な変動要因となり得ます。
古くからのファンの存在
プラドはその耐久性とオフロード性能で知られ、長年にわたり熱狂的な支持を受けてきました。
このブランドロイヤルティは、プラドが中古市場で常に高い需要を保つ要因となっています。
プラドのファンは、新しいモデルが登場しても、古いモデルに対する需要が衰えることはありません。
これは、プラドが生産終了になった場合には、ハイラックスサーフのようにプレミア価格がつく可能性があることを示しています。
海外でのプラド人気
プラドは国内市場だけでなく、海外でも高い人気を誇ります。
特に、7人乗りのモデルは、家族やグループでの使用が多い海外市場での需要が高く、リセール価値をさらに高めています。
海外での輸出市場では、プラドはその高い走破性と信頼性で評価され、7年落ちのモデルでも高価で取引されることが多いです。
これは、プラドが新車で購入された後、長期間にわたって価値を保持することを意味します。
また、サンルーフやルーフレールなどのオプションは、リセール時に10万円の価値が加算されることが一般的で、これらの装備が付いているかどうかが査定時に重要なポイントとなります。
プラドのリセールバリューを保つために
プラドの走行距離
プラドのリセールバリューは走行距離によって大きく左右されます。
一般的には、走行距離が多いほど価値は下がるとされていますが、プラドの場合、新車からの経過年数がリセールバリューにより大きな影響を与える傾向にあります。
例えば、10年落ちの150系前期モデルであっても、11万km走行している車両が220万円で取引されるケースがあります。
これは、プラドの耐久性とブランド価値が高く評価されているためです。
新車で購入してすぐに乗り換える場合、登録当年と1年落ちでは価値が高く保たれるため、マイナスをほとんど感じないでしょう。
また、輸出市場においても、プラドは高い需要を持っており、特に7年落ちのタイミングでの売却は、リセールバリューを最大化するポイントとなります。
色とリセールバリューの関係
プラドのボディカラーはリセールバリューに大きな影響を与えます。
市場調査によると、ホワイトパールの外装色を持つプラドは、同じ走行距離の他の色に比べて平均で416万円と高価で取引されています。
これは、ホワイトパールが持つ普遍的な人気と、清潔感のある外観が評価されるためです。
内装色に関しても、ベージュはリセールバリューを高める色として知られており、特にベージュ内装のTXLパッケージは、リセール時に20~30万円の価値差が出ることがあります。
これは、内装色が車の全体的な印象を大きく左右し、購入者の好みに強く影響されるためです。
人気のオプション
プラドにおける人気のオプションは、サンルーフとルーフレールです。
これらのオプションは、リセールバリューを高めると同時に、車の機能性と外観の魅力を向上させます。
サンルーフは新車購入時に約10万円のオプション費用がかかりますが、売却時にはその価値がそのまま加算される傾向にあります。
査定時にも、サンルーフの有無は価値評価の重要なポイントとなります。
ルーフレールも同様に、多目的な使用が可能であり、特にアウトドア活動を好むユーザーには必須のアイテムとなっています。
適切な売却タイミング
プラドを売却する最適なタイミングは、新車登録から3年または5年が経過した時点です。
この時期に売却することで、車の価値を最も高く保つことができます。
3年落ちの150系後期モデルは、新車価格に対して110%の残価率を示し、平均で390万円から415万円で取引されています。
5年落ちになると、リセールバリューはやや下がりますが、それでも高い残価率を保っています。7年落ちのタイミングも、特に輸出市場を見据えた売却戦略として重要です。
これらのデータは、プラドの所有者が売却を検討する際の重要な指標となります。
まとめ:プラドのリセールバリューとランクル250の存在
記事のポイントをまとめます。
- プラドは時代に左右されないデザインで知られる
- 新車市場では360万円から550万円で取引されることが一般的
- TXまたはTXLパッケージはリセール市場で高価
- ホワイトパールやベージュのボディカラーはオークション市場で高値
- 新車の納期遅れはリセールバリューを高める可能性がある
- プラドは特定の市場ニーズに適合する小さなボディサイズと短いホイールベースを持つ
- プラドの中古価格は新型車の納期遅れと高い需要により高騰する傾向がある
- 海外でのEVシフトと排ガス規制はプラドの将来価値にリスクをもたらす
- プラドは耐久性とオフロード性能で長年にわたり支持を受ける
- 7人乗りモデルは海外市場での需要が高くリセール価値を高める
- 走行距離がリセールバリューに大きく影響するが、経過年数がより重要
- 売却の最適タイミングは新車登録から3年または5年経過時
- サンルーフやルーフレールなどのオプションはリセール時に価値を加算